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お前らめんどくせえから結婚しろ

第1章 罪な女と怖い男


玲那視点


今日も2時間残業....疲れた....。

緩く巻かれた茶髪のミディアムヘアーをサッと耳にかけて「お疲れ様でした」と言って、彼女は去っていく。
デスクワークが多かった為に肩が痛い。
それにこの所、残業続きだ。
多忙な朝のルーティーンである化粧に、くま隠しをしなければならず、思わず心の中で舌打ちをする。


本日はクリスマスマイブ。日本では街中を恋人達がイチャつく日として有名だが、玲那は浮き足立つ彼らを無関心に一瞥してから愛用のマッチングアプリを開いた。
今日は花の金曜日。そして日頃のストレスをホテルで発散できる日。
アプリをスクロールしていた彼女の指先は、とある画面の文面を見てピタリと止まった。

“ごめん、急な出張が入ったから、会う事ができなくなった。ごめん”

「あぁ、新しい彼女に行ったのね。りょ。嘘つきさん。」

前、ヤッた時香水臭かったもんね。

指摘したら、凄い歯切れ悪くなってさ。

他に女居てもいいよって言ったら、こういう事するんだ。へぇ。

「さようなら、自称公認会計士さん。」

そういうと彼女は今日会う予定だった男の連絡先を全てブロックした。ドタキャンする男は嫌なのだ。
アプリに追加している他のお気に入り達の予定表を確認した。

全員見事に予定埋まってる(笑)。そりゃあそうよね、クリスマスと正月は彼女の所に戻るわよね(笑)
...あー仕方ない、今日はバーにでも行って酒でも飲みましょうか。
正月明けたら、全員あたし(浮気相手)の所に戻ってくるでしょ(笑)


美人でスタイル抜群な私を狼が放っておくわけないじゃない。

那奈は口角を上げると、大通りの交差点で信号が赤から青に変わるのを待つ。街中の巨大デジタルサイレージに映ったのは、今をときめく起業家の黒瀬 湊(くろせ みなと)だ。元大手(株)Mの技術開発職だが、25歳で最先端のAI開発会社を立ち上げ、主に精密かつより人型に近い介護や保育専用の人型補助ロボット、人員削減の為のAIロボットを世に流通させ、瞬く間に有名人となった男である。その他機械工学に関する論文が評価される等して、資本金数十億の金を動かしていると言われている。まさに自分とは住んでいる世界が違う住人だ。



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