アシスタントで来ただけなのに…!
第1章 鬼才漫画家、市川ルイ
呑気に私は、自然を眺めながら歩いていたが、ふと我に返った。
「…そうだ、今から面接なんだ」
進めば進むほど、市川ルイに近づいている。
そう、面接も迫っているのだ。
「どうしよう、もしこれで落ちたら…」
合格とは言え、書類では通っているだけで実はこれから最終面接でアシスタントにするか判断するとかだったら…
急な不安が押し寄せてきて、お腹が痛い。
「やばい、吐きそう…」
さっきまでの余裕はどこに行ってしまったのか。
いざ目の前にすると不安はこんなにも膨らんでしまうのかと実感した。
「…って、あれ?そういえば…」
地図では集落のようになっていたはずなのに
ここまで歩いてみて建物の一つもない。
不穏な空気になりつつあった。
怪しい…やはりこれは詐欺で私はこの先の山小屋に攫われるとか…?
「…待って、それだったらかなりやばいじゃん…」
引き返そう、そう思った時に母の見送ってくれた姿が思い浮かんだ。
母のいってらっしゃいという言葉、母も信じてくれて、娘の就職を、夢を応援してくれてるんだ。
それにここまで来てしまったら、せめてその先の建物を確認したい。
「行くしか、ないよね…」
この数秒で様々なことを考え、思考を巡らせた結果進むことにした。
大丈夫、何かあったら手に持っているスマホで警察でもなんでも連絡すればいい。
「大丈夫…まずは行ってみて、見るだけでも…」
そう思いながら進んでいくと、石畳の階段があった。
ここを上れば事務所がある。
地図にはこの先に赤く丸が記されている。
「もう着く…行くぞ…」
一段、二段、足を上げて進む。
徐々に建物が見えてきた。
そして、私は驚愕した。
「…へ?…ここ…?」
目の前の建物は古びた大きな屋敷だった。
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