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『春のうつろい』

第4章 春霞


 春がすみ(春霞)
 春に立ちのぼる、淡く白い霞。
 霞む曖昧な恋情。

『春霞 たなびく山の 桜花
 うつろはむとや 色かはりゆく』
 春霞がたなびく山の桜の花は、散ってしまうのだろうか――
それで色を変えながら移ろっていくのだろうか。


 春霞は見えるはずのものを見えなくする。
 現実か、幻想か、曖昧な距離感が狂い、現実感を薄め…
 「今だけ」という錯覚が生まれる。

 そして…
 目の前にいる相手が「自分の世界の中心」になる。



 春霞
 墓の花ゆれ
 風やさし
 まだそこにゐる
 やうな人

 墓参りをし、亡き人が、まだそこにいる感じがする…


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