お題小説第5弾「Dear Daddy…」
第1章 Dear Daddy…
『駅まで迎えに行くから』
そう言われて待ってたけど、
正直、来ないんじゃないかと思ってた。
「おー、お前が更紗(さらさ)か」
現れたのは、無精髭にボサボサ頭、
よれたジャケットを着た、タバコの匂いがする、
おっさんだった。
まあ、ブクブクに太ってないし、
禿げてないのが唯一の救いかな?
「腹減っただろ?何、食いたいんだ?」
あたしの心配をよそに、
あたしはあっさり受け入れられた。
あたしは元パパの姓『石巻』から、
正式に『岸本』に変わったってわけ。
こうして、あたしは『岸本更紗』になった。
☆☆☆
広くん、岸本広之(きしもと ひろゆき)は、
結構だらしなかった。
家は割とぐちゃぐちゃで、
食事は缶詰とビールばっか。
『昼飯で野菜取ってるからいーんだ』
とか言ってたけど、
それって、学校の近くにある中華料理屋の定食のことでしょ?
健康に悪いったらありゃしない。
「あたしが作ろうか?」
って言ってみたけど、ちょっと考えて、
『いや、いい』
だって。
その日から、スマホのレシピサイトとにらめっこしながら、
朝ご飯と夕ご飯を広くんが作るようになった。
焦げたお肉が香ばしすぎたり、
野菜炒めの野菜が生だったりしたけど、
だんだん、上手になったところを見ると、
やろうと思えばやれるってことだったみたい。
「まあまあ、おいしーよ、広くん」
この『広くん』呼び。
最初に、してしまったことからあたしの中では定着しちゃったんだけど、
広くんにとっては、ビミョーだったみたい。
いつも、眉間にシワが寄っていた。
こんな生活が続いて、
高校2年の夏になった。
あたしも女子高生で、Youtubeとかで推しとかできて、
まあいわゆる『推し活』ってのにハマったりもした。
当時は、地下アイドルってやつ。
友達とライブ行ったり、グッズ買ったりしたかったんだけど、
お金がないわけ。
広くんにはめーわくかけらんないじゃん?
だから、あたし、バイトするって決めた。
友達から、紹介されて、
『簡単なバイトだよ』って言われた。
ネットで連絡取った人と会って、
おしゃべりするだけ、そんな触れ込みだった。
友達とふたりでファミレスで男の子(と言うには年上に過ぎたけど)
と落ち合う。
そう言われて待ってたけど、
正直、来ないんじゃないかと思ってた。
「おー、お前が更紗(さらさ)か」
現れたのは、無精髭にボサボサ頭、
よれたジャケットを着た、タバコの匂いがする、
おっさんだった。
まあ、ブクブクに太ってないし、
禿げてないのが唯一の救いかな?
「腹減っただろ?何、食いたいんだ?」
あたしの心配をよそに、
あたしはあっさり受け入れられた。
あたしは元パパの姓『石巻』から、
正式に『岸本』に変わったってわけ。
こうして、あたしは『岸本更紗』になった。
☆☆☆
広くん、岸本広之(きしもと ひろゆき)は、
結構だらしなかった。
家は割とぐちゃぐちゃで、
食事は缶詰とビールばっか。
『昼飯で野菜取ってるからいーんだ』
とか言ってたけど、
それって、学校の近くにある中華料理屋の定食のことでしょ?
健康に悪いったらありゃしない。
「あたしが作ろうか?」
って言ってみたけど、ちょっと考えて、
『いや、いい』
だって。
その日から、スマホのレシピサイトとにらめっこしながら、
朝ご飯と夕ご飯を広くんが作るようになった。
焦げたお肉が香ばしすぎたり、
野菜炒めの野菜が生だったりしたけど、
だんだん、上手になったところを見ると、
やろうと思えばやれるってことだったみたい。
「まあまあ、おいしーよ、広くん」
この『広くん』呼び。
最初に、してしまったことからあたしの中では定着しちゃったんだけど、
広くんにとっては、ビミョーだったみたい。
いつも、眉間にシワが寄っていた。
こんな生活が続いて、
高校2年の夏になった。
あたしも女子高生で、Youtubeとかで推しとかできて、
まあいわゆる『推し活』ってのにハマったりもした。
当時は、地下アイドルってやつ。
友達とライブ行ったり、グッズ買ったりしたかったんだけど、
お金がないわけ。
広くんにはめーわくかけらんないじゃん?
だから、あたし、バイトするって決めた。
友達から、紹介されて、
『簡単なバイトだよ』って言われた。
ネットで連絡取った人と会って、
おしゃべりするだけ、そんな触れ込みだった。
友達とふたりでファミレスで男の子(と言うには年上に過ぎたけど)
と落ち合う。
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