
Dilemma
第2章 【過去一好きだった元カレ】
「飯、行こう?ご馳走させてください!」
いきなり頭下げるのやめてよ
通行人見てるから
断りにくい状況に持っていく作戦だな?
「何処か良いお店探そ」
「実はもう押さえてあります」
「え?本当?」
「ほら、此処とか瑞希好きそうだなと思って」
スマホ画面見せられて
ドンピシャで好きな雰囲気のお店何軒か
ピックアップされてる
一緒に覗き込んで、
彼がスクロールする手を止めて
「此処!」と顔を上げた瞬間
顔と顔が近くてドキッとした
咄嗟に距離を保ったけど
「やっぱり此処か、選ぶと思った」って
ドヤ顔してる彼を見て、一瞬にして
付き合ってた頃の雰囲気が蘇った気がした
「お疲れ!乾杯!」
仕事を終えた後の一杯目のビールほど
美味いものはないよね
料理も本当に美味しくてお酒が進んじゃった
バックの中でスマホが鳴って確認すると
圭くんからだった
(飲み過ぎてないですよね?)って
ワンコが大粒の涙流してるスタンプも来てて
クスッと笑うと「次なに飲む?」って
目の前に元カレの顔
色々あって二人きりです…なんて送れば
気が気じゃないだろうな
でも後でわかるよりは良い?
まだ付き合ってないけど?
私が彼の立場なら教えて欲しいかな…
かなりヘコむけど……ヘコむけど……
えぇ~喧嘩したくない
険悪なムードになりたくないよ
疲れて帰ってきて色々気を遣いたくない
あれ?私、最悪じゃない?
心の半分では、
別に言う必要なくない?とか考えてる
何もないし心配させたくない
何もかも正直に言うのが正義じゃないよなって
あ〜全部、自分の都合で考えてる
どれが正解?
元カレと言っても仕事だよ?
そもそも仕事しに来てるわけだし
いやいや待てよ?
「瑞希?酔った?」
肩に触れて視線を奪ってきた
グワン…とアルコールが回って、
酔うと陽気になる私は「んふふ」と笑う
酔わないって決めていたのに
すぐにあの頃の空気に戻ってしまうから
いや、持っていき方が妙に上手いから……

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