
Dilemma
第3章 【同期入社の戦友、眼中にもなかった同僚】
持ち場に戻っても黒田と一緒だから
気が抜けない
それに………
「成瀬さん、こちら確認お願いします」
当たり前に神倉くんも居るわけで……
「…了解」
本当に当たり障りない距離感で
必要最低限の会話しかしてこなくなった
それが普通なんだけど、
ぎこちない私たちに周りは完全に気付いてる
何かあったな、という空気感
それを何事もなかったように振る舞って
皆に仕事振ったりいつも通りの自然体で
居てくれるのが今の黒田だ
正直、有難い、頼りになる
「成瀬、午後からのやつ飯食いながら打ち合わせしても良い?」
「え?そんな急ぎ?うん、良いけど」
「悪い、早く済ませておきたくて」
「OK」
こうして連れ出してもくれる
でもいざランチに出掛けると
一切打ち合わせしないの
「ヤダヤダ、ランチはランチだろ?お前また昼抜きそうだったから強制連行しただけ、誰が飯食いながら打ち合わせするか」
そんな風に言うけど、
私と神倉くんが同じ空間に居て
お互いが意識し合ってるの丸わかりだから
嫌なんだとさ
そんな態度出しちゃってるかな?
財布持ってメニュー選ぼうとしてただけなのに
ぼーっとしてると勘違いされて頭ポンポンされる
やめて、誰が見てるかわかんないのに
ってジェスチャーしてもそんな私を見て楽しんでる
その日の夜も、ちょっとお洒落なお店
選んじゃっててびっくりした
「普通に居酒屋とかでも良かったのに」
「たまには良いだろ」
「ふーん、黒田ってちゃんとデートしてるんだね」
「は?」
「こういうお店ってデート用でしょ?」
「お前が初めてだし」
「は?」
「悪いかよ」
「え、黒田ってぶっちゃけモテるよね?」
後輩や新人がキャーキャー騒いでたような?
顔は確かにイケメン顔だし?
スタイルも良くてスーツが似合う
見た目はThe清潔感といった感じで好印象…なはず
だからきっと、色んな子とご飯に行ってると
思っていた

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