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私はその場から動けなかった。

あんなに近くにいた蓬が遠く感じた。

私の大切な
大切なみみをけなす。

その行為を私は許せなかった。

あの時蓬は何か言いかけた。が、所詮聞く価値もない言い訳。


その場から立ち去った。



裏切り。



その言葉がぴったりだろう。


あんな奴を好きだと勘違いした私がバカだった。

みみをけなす事だけは許せない。



あの日…………。


苦い思いとともに



淡い恋心を胸の奥にしまった。