テキストサイズ

捨て犬と俺と…

第9章 壊れた想い

翔side



うそつき。


なんか考え事して悩んでたくせにぃ…陸のこと知りたい。こんなにも人のことに興味が湧いたのは始めての感情だった。



陸に出会えた事で色々な感情が持てた。嬉しい。悲しい。楽しい。辛い。どの感情も深く感じられる。僕の事を初めてわかろうとしてくれる、そんな人が出来た。だから僕も知りたい。陸の事を全部。



でも自分に自信がなかったからまた嫌われる、捨てられるのが怖くてどこまでその人にはいっていっていいのか人と人との距離感がわからない。もっと僕を見て…


陸「翔ー!ごめん、ちょっとバスタオルとってきてー」


「…う、うん今持ってく!」


バスタオルを持ってお風呂場へ行くと小さなタオルを腰に巻いて突っ立っている陸がいた。

自分より背が高くて、しっかりした骨格。いかにも高校男子って感じで僕はそれとは全然違ってなんとなく羞恥を感じた。


陸「何そんな俺の体見てんだよ(笑)」


「へ…!?あっ、ごめ!!は、はいタオル!」

陸「お!さんきゅ」

自分では意識してないつもりだったけどそんなまじまじと見てたって思われたとわかると急に顔が熱くなってびっくりした。
穴があったら隠れたいってこのことか…


それから陸は風呂からあがってきた。今日は寒かったからおでん。もちろんコンビニの。料理は全くした事ないから出来ないけど最近は買い物ぐらい行けるようになった。まだ人混みは苦手だけど陸とでかけてるうちに少し、少しだけど進歩したつもり…

やっぱり今日は陸元気ない。さっきからあんまり食べてないしずっと下向いてる。


陸の力になれればな………


ストーリーメニュー

TOPTOPへ