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不器用

第16章 名前



今まで好きになった人は
同級生だけだったから
名前を知られてるのも
顔を覚えられてるのも
当然のように思ってた。


好きな人が
自分の名前と顔を
わかってくれてるって
こんなに特別なことだと思わなかった。


まだ、顔だけなら
覚えてくれてるかもしれない。

でも名前は、名乗ったことがない。
名乗られたことも、ない。


それがこんなにも悲しいなんて
こんなにも寂しいだなんて

あなたを好きになって
初めて知ったよ。

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