不器用
第17章 欲張り
欲張りだよね。
最初は姿を見れるだけで
よかったのに、
少し関われただけで
それだけじゃ足りなくなって。
もっと会いたい。
もっと話したい。
もっと、見てほしい。
思い出せば、
両手じゃ足りないくらい
たくさんの思い出があるのに
思い出すこともせずにわ
もっと、もっと、もっと。って。
あたしだけじゃなくて
同じ学年にも、違う学年でも
たくさんの人がいて
あなたに好意を抱いても、
話したこともない人も
たくさんいるはずで。
そんな中で、
特に目立つ訳でもないあたしが
あんなにも輝いてるあなたと
話すことができて…
それだけで、満足するべきなんだよ。
何、わがままいってんの。
何、欲張りになってんの。
…でも、足りないと思ってしまうの…