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Memory of Night 番外編

第4章 Episode of AKIRA


 けれども晃は宵を振り向き、けろりと笑って宵の疑問を一蹴した。


「いや。今は逆に自由でいられることにすごくありがたみを感じてる。宵を連れ込み放題だし、夜もヤリ放……」

「結局そっちかおまえは!」


 晃の言葉を遮り、宵が怒鳴る。


「照れなくても」

「照れてなんか……っ」


 晃は身をかがめ、宵の唇に一瞬だけのかすめるようなキスをした。

 途端に宵の顔が真っ赤になる。


「好きだよ。今日も泊まり、来るだろう?」

「……明日学校」

「手加減するから」

「だからそっちじゃなくて……っ」


 慌てる姿が可愛いくて、晃は声をあげて笑う。

 それから夕日に映える姿を見つめた。

 隣にいるのは愛しくて仕方ない恋人。

 宵に出会う前は何に対しても執着することができなかったのに、今はそれが嘘のように隣の恋人に夢中だ。

 宵の存在は、幼い頃感じていた寂しさやそのせいで空いてしまった心の隙間に潤いを与えてくれる。

 晃はもう一度宵の唇にキスをした。


「――愛してるよ」


 そうして湧き出す思いを全て言の葉に乗せて、ありったけの笑顔でそう囁いた。


――END――

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