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Memory of Night 番外編

第5章 美少女メイドを捕まえろ!


 ――そして、南風祭前日の金曜日、放課後。

 二年一組もその例外ではなく、クラスに残った生徒達は内装や出し物の準備に騒然としていた。


「この机ってここでいいの?」

「うん、四つずつくっつけて!」

「おい、誰か画鋲取ってくんねぇ?」

「おら、今渡すぞ」

「あれ? 飾り足りないんだけど!」

「それならさっき男子が買いに行ってくれたよー」

「ちょっとぉ! さァむゥいィーっ!!」

「うっせぇあったまるまで校庭走ってこい!」


 それぞれありったけの防寒具を着込み、ヒーターをがんがんにつけて割り振られた作業に没頭している。

 教室の中は散らかっていた。

 机や椅子は必要な分以外全て空き教室に運び出してしまっていたので一見広く見えるけれど、床にはゴミやマジック、差し入れのジュースや脱いだ上着が散乱していて足の踏み場もない。

 明日の準備はほぼ完成し、あとは細部の飾り付けだけだった。

 それでも、残っている生徒の数はクラス全体の三分の一ほど。残りの生徒達は近くのコンビニに買い出しに行ったり、出店に使うテントを校庭の指定された場所に張り、必要な材料や道具を運び出す作業を行っている。

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