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Memory of Night 番外編

第5章 美少女メイドを捕まえろ!


 宵がそれを知れば嫌がるだろうということで、秘密にしていたのだが。そこは今はあまり問題ではない。

 文化祭が終わり晃が携帯を開くと、絵文字いっぱいの女の子らしい華やかなレイアウトで、今日文化祭に行ったのに宵に会えなかったと、残念そうなメールが送られていたのだ。

 会えないのも無理はない。宵は可愛らしいメイドに変身していたし、そもそも人がいる場所にほとんど出てきていないのだから。


 せっかく文化祭まできたのに、肝心の宵に会えないんじゃ意味がない。

 そこで晃が十パーセントの親切心と九十パーセントのイタズラ心で、宵のメイド姿の写メを志穂に送ってしまったというのが、真相だった。


「女装が似合うって、ある種才能だと思うよ! 男と女って骨格からして違うし、なかなかメイド服をあんなふうに着こなせる男の子はいないと思う! だから、それが出来る宵はコスプレの才能とか素質が備わってるってことで、そう産んでくれた親御さんに感謝して……」

「女装だのコスプレだのうるせーよ! ここ外だぞ!? おまえ少し周りを気にしろ!」

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