テキストサイズ

All Arounder

第11章 High School Student


―――――――――――



「あー姫ちゃんだ、しかも制服!!」


酒場に着いて、まずそう言ってきたのは井上だった



『どうも』


姫は井上を軽くあしらう




「マスター、依頼人のリスト」

大志はマスターに手を出した


「ああ、ちゃんと今月の分なら作っておいたよ
あっちの部屋だ」


「あざっす」



大志はマスターと一緒に奥の部屋へ入って行った




この場には姫と井上の二人っきりになってしまった


「で、姫ちゃんどうなんだよ、大志と寝たのか?」



『寝てないし!!///』



「じゃー俺の相手しろい」



『いや』



井上はチェッと舌を鳴らした



『井上…』



「ん、キスする?」



『しないから。
…大志って、父親のこと嫌いなの?』



その質問に、井上はゆっくり答えた



「姫ちゃん、あいつの前で親父さんの話はタブーだ」



『…何で?』




「俺も昔、そのことを話に持ち出したらぶちギレされた」



『…そんなに?
何で?』



「理由は教えてくんなかった。けどどっちかっつーと…
親父さんより、親父さんが刑事ってのが気に食わねーらしい」



『…何で?』



「だから知らねーって。まぁ、家族にもいろいろあんだろーよ」



井上は椅子の背もたれにもたれ掛かった





『…』



父と息子って



複雑なんだなー…




ストーリーメニュー

TOPTOPへ