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「もう」


無口なお兄ちゃんになっちゃったなぁ



でも…



「にぃたん」



美空は大志の腕をしっかり掴んでいる




…優しいお兄ちゃんにも、なったんだね




ゆうひはそんな二人を温かい目で見守った














「みそら」



美空は大志の顔を見上げた




「ぬいぐるみ、どうしたんだよ？」



「…」



美空はギュッと口を結んだ


そしてまた、大粒の涙が流れ落ちた





「…こうちゃんが…とったの…」



「こうちゃんが？」




「みそらの…ぬいぐるみ…とった…の…」



眉をハの字にし泣きじゃくる美空の手を、大志は一層強く握った




「オレがとりかえしてやるから。みそらは泣くな」




美空は服の袖で涙を拭いた




「うんっ」















それから３日後





大志は、両手にたくさんのぬいぐるみを抱え
家に帰ってきた





その顔も、服も、手も足も
ドロドロにさせて帰ってきたのだ





「みそらっ」



玄関から、美空とゆうひが出てきた



「にぃたん!!」



「大志…ちょっとどうしたの、そんなドロドロにして…」




大志は、持っていたぬいぐるみを全部置くと、誇らしげに美空にお披露目した



「ぜーんぶ、みそらのだっ」