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All Arounder

第15章 Jealous


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"酒場"の扉を開けると、いつも通りの陽気な音が鳴った



カランカラン




「おはよっす」



大志が中に入ると、マスターと井上が振り向いた



「お、大志だ」


「あー姫ちゃんもいんじゃねーかよっ」



大志のことはそっちのけで、井上は姫の手を引いてソファーに座らせた


「姫ちゃーん、めちゃくちゃ会いたかったんだぜ?
大志は不機嫌だわ、依頼人は来ねーだわで…」



『へえ』



「素っ気なーい、でも姫ちゃんのそういうとこもマジで好きだからよー」



『ふーん』



井上は「かぁー、姫ちゃん」と、姫の肩に手を回した



「大志の家はもう飽きたろ?
今日からは俺の家来いよ」



『やだ』



「まぁそう言わずに
可愛がってやるからよー」



すると、井上の膝に大志が座った



「は?」



「あ、ソファーと間違えた」



大志はもう一度立ち上がると、無理矢理二人の間に割り込んだ


「大志…さっきのわざとだろ…?」



「わりぃ、日本語が理解出来ねぇ」



スチャッと手をあげ、井上を制する



「うるせーよ!!
俺と姫ちゃんの恋路を邪魔すんじゃねー!!」



井上が取っ付きかかると、大志も反撃した




「お前ら、喧嘩なら外でやれよ…」



マスターは呆れ返ったように、テーブルに肘をついて二人の様子を見ていた



『…』



姫も面倒に思い、その場を離れると、マスターの前にあるカウンターチェアに座り直した




「だいたいお前はいっつもなー…!!」


「てめぇは下心見え見えなんだよコラ!!」





するとその時、突然扉が開いた



カランカラン…







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