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All Arounder

第3章 All Arounder


「ただいまー…」



家に着いた頃には8時半になっていた


怒ってなきゃいいけど…と、玄関を開ける



その瞬間、とてもいい匂いが漂ってきた


どうやら今晩のおかずはブリの照り焼きのようだ


実は好物だったりする





「あ、大志お帰り」



母さんも美空も親父も、席に着いていた


ただ、もうすぐ食べ終わるところらしいが



「お兄ちゃん、遅かったね」



美空は口で箸をくわえたまま言った



「何してたのー?」



母さんは食器を重ねながら聞いてくる




…仕事してた



とは言えるわけない




「彼女と…イチャついてた」



大嘘だ



今日はどっちかっつぅと仏さんとイチャついてた




「自慢話は聞きたくねぇな、ぶぁあっか」



いちいち腹立つな、このジジイ…



親父は「ごちそーさん」と言って席を立った




「マジむかつくな…、
ってか、オレの魚は?」



「お父さんが食べちゃったよ?」




ブチッ






「親父コラ待ちやがれ!!」



大志は斉藤を追いかけて行った



「斉藤も大志も、仲いいよね」


「え、そうなのかな?」







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