無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

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「イライラする…」


夜も更けてしまい、街の照明が暗さを掻き消す中、帰宅途中だった井上…


ついつい独り言まで出てしまう


井上は今日のことについて、悩んでいた






…俺らしくねー


前までの俺なら、大志のキスシーンで姫ちゃんがショック受けようが受けまいがどうでもよかったはずだ



それを何だよ…抱きしめた？


何の利益もなしに？


ありえねーだろ






ふと、ファミレスでの姫が思い出される


…あれは…可愛かった





いや、可愛い女なんて山ほどいんだ!!

姫ちゃんに限ったことじゃねーから…




だいたい…




大志が悪い




大志がちゃんと姫ちゃんを捕まえときゃ
俺だって"チャンスかも"とか思わねーもん


そうだそうだ、大志が悪い、大志のせいだ、大志の…




「あ、退斗だっ」




突然呼ばれて振り向くと、見たことのない女がいた



「は？」



「久しぶりじゃん、元気だったぁ？」



茶髪に厚化粧の女は、井上に近づき腕を絡めてきた



「えーっと…」



胸元開きすぎじゃねーか、誘ってるとしか思えねー…
ってか誰だっけ？



「えー、忘れてないよね？
美由紀だよ美由紀っ」



「ああ、美由紀ちゃんか!!
久しぶりだなー」



覚えてるわけねーだろ!!