All Arounder
第17章 Shadow Threaten
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「…じゃあ、屋敷を回っている時に、いきなり頭を殴られたんですか?」
「はい、それで気を失ってしまいまして…」
「ってことは、犯人の顔すら見ていないってことですね?」
「はい…」
「わかりました、ありがとうございます」
シゲが頭を下げると、使用人の一人は部屋から出て行った
そのかわりに藤野が入ってくる
「どうだ、嘉山?」
「藤野さん…、あまり有力な情報はありませんでした」
シゲもほとんどお手上げ状態で、首をパキパキいわせると溜め息をついた
「いつまでも刑事科に身柄を置いとくわけにはいかないからな…
一旦帰すか」
「そうっすね、あ~疲れたー」
藤野たちは、屋敷の使用人たちを一旦帰すことにした
「ではまた、何かありましたら連絡します。
お疲れ様でした」
「失礼します…」
藤野は使用人たちを刑事科の外まで見送った
使用人たちはそれぞれ、タクシーを呼んだり駅へ向かったりして帰っていった
「…」
本当に奇妙だ
一緒の屋敷で暮らしていて、なぜ令嬢の顔をまともに知らない…?
そのお嬢様が部屋に閉じこもりっぱなしだったのか…
まあ
とりあえず斉藤が調べていてくれるから
それに頼るとするか…