テキストサイズ

All Arounder

第17章 Shadow Threaten




斉藤は身を屈めたまま、足場を指で拭き取った


ザラザラとした感触


埃が積もっているようだ





「よいしょ…」



腰に付けておいたライトを照らした

排気口の中は一気に明るくなる



すると、明らかに埃が拭われた跡があった

誰か、自分以外の人間が排気口を通ったようだ




「…」




玄関から入ってきた犯人が、わざわざ換気扇に上る必要はねぇ


なら、一体誰が排気口を通ったんだ…?



もう一度、換気扇に出来た擦り傷に目をやった



ロープで上ったってことは、もともとロープは設置してあったのか…
もしくは、犯人の仲間が上から垂らしたのか…



待てよ…それならどっちにしろ、犯人の誰かは排気口から屋敷に侵入しねぇといけねぇってことになる



犯人Aは玄関から入り、犯人Bは排気口から侵入

令嬢を連れ、わざわざ換気扇に上り
AもBも排気口から逃げる…



そんな面倒なことをしなくても、さっさと玄関から逃げればいいのだ



それをどうして…






斉藤は一人考え込んだが、どうも頭の中がまとまらないので
とりあえずその場から下りた







「んじゃ次は…令嬢の写真がマジでないのか探してやっか」







斉藤は部屋を後にし、そのほかの部屋を見て回った








ストーリーメニュー

TOPTOPへ