テキストサイズ

All Arounder

第23章 Affection




「姫はどうする?」



『え?』




大志はまっすぐ姫の顔を見た




「家…ついて来るか?」




『あたし…部外者だよ?』




「どうなんだ?」




『…ついて行く』




姫の言葉を聞き、大志は頷いた




するとマスターは、大志にココアを出してやった



「?」



「俺からのおごりだ。上手いぞ?」



「…いっつも奢ってくれてんじゃねぇか」




「馬鹿、あれはしっかりツケに回ってるんだよ」




大志は一口、ココアを飲んだ


つい口元が緩む





「…うめぇな」





すると井上は、"夕暮れ"の絵を取り出した



「明日依頼人に渡しとくけど…いいか?」



「ああ。報酬はおめぇ持ちでいい」




「いや、山分けだろーが」




大志も井上も、クスクスと笑った










――――――――――







家に帰ると、ゆうひが丁度夕飯の支度を終えたところだった




「大志お帰りー、姫ちゃんもいらっしゃいっ」



エプロンを外し、ハンガーに掛けると
ゆうひは美空を呼びに、2階へ上がっていった









「…この飯食うのも、今日が最後かもな」




テーブルに並ぶ料理を見て、大志は呟いた




『…何で?』




「…何となく」















ストーリーメニュー

TOPTOPへ