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All Arounder

第23章 Affection




「…そのせいもあってか…中学ん時はグレたな」




「ああ、そうだな」




大志は目を逸らしながら、ソファーに深く座った





「…中3の途中で、いきなり普通に戻ったのは何でだ?」




「何だっていいだろ」




かったるそうに返事をする大志を、姫はちらっと見た



…ほんとにグレてたんだ…





「おめぇが話したくねぇなら別に聞かねぇけどよ…」





ここで斉藤の声は、一気に色を失った









「大志…オレは…
おめぇの親か?」









その問い掛けに、大志はゆっくり口を開いた





「親だ…けど、オレは親だとは思ってねぇ」





『っ…』




姫はとっさに斉藤の顔を見た




思っていたよりも、平気そうな顔をしていたので
とりあえず安心した






「…言いやがる、ならよぉ…オレは親らしいこと、してやれたか?」







「…んなこと、自分で考えやがれ」







「…して…ねぇんだな」










『大志っ』



耐え切れずに



姫は大志の腕を叩いた




「ってぇな…何だよ?」




『何だよじゃないよ…!!
大志、何にもわかってない…』




斉藤さんは…大志を愛してるのに



何でそんなこと言えるの…?












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