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All Arounder

第25章 Dharma Doll Appears




カランカラン



「掃除終わったぞ」



『疲れたぁ』




ほうきとちり取りを持って、大志と姫が入ってきた



「お疲れさん、報酬のアップルジュースだ」



席についた二人に、マスターはジュースを出した




『わーい』


「オレ酒がいい」



「文句あるなら退斗にやろうかな」




大志はブツブツ言いながら、ジュースを飲み干し


姫も味わっているのか、チビチビと飲んでいった






と、そこで扉が開いた




カランカランという音と同時に、大志たちは振り返る






「…」




女の長く綺麗な髪は、風に吹かれてサラサラとなびく


その顔は水風船のようにパンパンになっていて、頬には哀れなほどのニキビ


体格を一文字で表すなら…



"巨"







「い…らっしゃいませ」




一瞬言葉に詰まったが、大志は笑顔で迎えた




「All Arounderって、…誰のこと?」




喉まで圧迫されているような声に、大志は応える




「オレと、こいつっす」




「いや、俺は違ぅ…」



「じゃあ早速話でもしましょうか」




大志は井上の衿を掴み、奥の部屋へと連れていき

客の女も、そのあとをついていった












『…なんか、大きな人でしたね』



「そうだね…横に…」






姫はズズッとジュースを飲み干した









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