テキストサイズ

All Arounder

第31章 Have A Gun




すると、広い部屋に出た



壁一面に、それは多種多様な銃やナイフが並んでいた


退斗の目は一気に輝きを増す





「鉄治(テツジ)、久しぶり」



「おおマスター、どうしたんだい急に?」



マスターは、部屋にいたおじさんと握手をした



「この子を紹介しにきた」



退斗は肩を押され、鉄治の前に連れて来られる




「ほおー、小さなお客さんだな。坊主、名前は?」




「…井上退斗」




少し緊張でもしているのか、退斗の声は小さかった




「退斗か。よしよし、鉄治だ、よろしくな」




「…鉄ジイ…」



退斗が呟くと、鉄治は大笑いした



「ジジイか!!
それもいいなぁ、ははははは!!」



豪快に頭を撫でられ、退斗は照れ臭そうにした




「この子、かなりの銃の腕前なんだ
見てやってくれないか?」



マスターがそう頼むと、鉄治は頷いた



「いいだろう
退斗、ほら」



退斗は鉄治から、一丁の拳銃を渡された



「え!?」



本物の重みに、思わず肩が下がる



「どれくらいか見てやろう、退斗、あの的があるだろう」




鉄治の指差す方へ目を向けると、もともと設置してあったのか
木の板でできた的が目に入った



「あの真ん中、撃ち抜いてみな」




「…」




退斗はカチャ…と的に向かって銃を構えた









ストーリーメニュー

TOPTOPへ