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All Arounder

第37章 Suggestion





「それでー…ここに住むかどうかの話だけどー…」



箸をくわえながら、小泉は言った




「井上、まだ大志たちはあんまり心の準備が出来てないらしいよ」



「心の準備?
何の?」



さっさと食べ終えた井上は、大志と姫を見た




「準備っつぅか…」



『何で退斗は、あたしたちにそうして欲しいの?』




すると井上は片手で頭を抱えた




「それ…俺に聞くか?
こっちの立場になってみろよ」



「…」



『あたしのこと…邪魔…?』




姫の箸を持った手がピタリと止まる





「邪魔とかじゃねーけど…よぉ…」





井上はシュンッと肩を落とし、それきり言葉が出なくなった




「じゃあ、もうちょい落ち着くまで、井上ん家に泊めてくれよ」



「…」




「いいだろ?」




「…わかった」





「…」



大志も姫ちゃんも、鈍感だね…

どうして井上が君らから離れたがるのか…




そりゃあ、惚れた女の子が好き合ってる男と家に住まわれたりしたら
井上だってしんどいよ




まあでも…




「落ち着いて、気が向いたらいつでもおいで」




それだけこの子たちは



井上が大好きなんだね…













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