All Arounder
第38章 My Heart Beating
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《あ゙ー…もしもし、大志かー?》
電話の向こう側から、井上の声が聞こえた
「ああ、そうだけど…えらく鼻声だな…」
《喉も死んでう…》
大志はマスターに入れてもらったコーヒーを飲みながら苦笑した
「やべぇな(笑)…今仕事中だろ、風邪引いたのか?」
《まーな゙…いろいろあっでよー》
昨日来た依頼は、井上が受け持った
しかし井上から電話が掛かってきたと思ったらこの有様
「依頼は、ちゃんと終わらせたか?」
《まらら…》
「まだか…んじゃ頑張れ」
《おー、だからじばらく時間かかる…ま゙ー姫ちゃんとゆっぐりしとけ…》
「(爆笑)お大事に」
大志はピッと携帯を切った
クスクスと笑う大志を見て、マスターが聞いてくる
「退斗が風邪引いたって?しかも任務中」
「らしいな。マジ腹痛ぇ」
『風邪には漢方薬が効くんだって、この雑誌に書いてる』
「姫、渋い雑種読んでんなぁ…」
姫はえへへと頭に手を置いた
『照れちゃうな///』
「照れねぇよ」
カランカラン
扉が開くと鳴る、この音
もう反射的に振り向いてしまう
「何でも屋…よね?」
「All Arounderです、どうぞこちらに」