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All Arounder

第41章 Rival Company





「姫…そろそろ当たりを押してくれ…」




「だいぶ危ねー縛り方になってきたー…」






『ま、待ってね、じゃあこれかっ』



しかしまたハズレ





「姫…」



「亀さん完成しちまうぞ…?」




『あ、これ最後!!』



最後に残ったボタンを、姫は押した



するとロープは、まるで自分の意志で動いているかのように

大志と井上の体から解けていった





「お!!」




ロープから解放されると、大志と井上は地面に落下した




「いでえっ!!!」




しかし急いで体勢を立て直す




「姫…!!」




大志と井上は手を伸ばした



姫は持っていたリモコンをほうり投げ、その二つの手を掴む







「逃げんぞ!!」




『おーっ!!』




「ま、待ちなさい!!」



L.ダマが追いかけようとした時にはもう遅く




三人は死に物狂いでその部屋を飛び出した





そして死に物狂いで階段を駆け降り、死に物狂いで外へ出た















「ぶは…疲れた…」


「はぁ…はぁ…ああ、マジ疲れた」




三人は路地裏に座り込み、お互いにハイタッチした






「今回は…姫ちゃんバンザイ」



『えへへ、やったぁ』




「井上より役に立つわ」





「はあ?何もしてなかったのはお前だろ、大志」




「どうだか」








無事に逃げ出せた安心感からか…




無駄に笑えてきたのは、言うまでもない












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