テキストサイズ

All Arounder

第42章 Kiss Me






…確かめたい







「姫…」




『?』





大志は姫に、少しだけにじり寄った




その少しの距離は、まるで見えなかったものが鮮明に見えるようになったと思えるくらい、大きな"少し"だった














「…キスして」













『…え///』





姫は恥ずかしそうに俯いた



そんな姫の顔を窺うように、大志は覗き込む









「今…して?」







『…///』





少し上げた姫の顔は、りんごみたいに真っ赤で


瞳はまるで、水からすくった真珠のように綺麗だった







すごく照れた姫の顔に、いちいちドキドキして




ちょっと唇を噛む仕種や、ちょっともじもじと体を揺らす様子を見ていると





我慢がここまでつらいものなんだと、痛感するほどだった








『…ん///』






姫は大志のすぐ隣へ寄ると




横から小さく




その頬に唇をつけた






「…///」





頬の、鈍くも温かく柔らかい感触に



もう、いてもたってもいられなかった














ストーリーメニュー

TOPTOPへ