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「え、何？何？」



井上は少し顔を寄せ、興味津々で聞いてきた




「い、いえ…関係のない方に、あまり話したくありません…」



「結構深刻な悩みっぽいな…Ｌ.ダマとの交渉は出来たか？」




「いえ…待ち時間があまりに長いので、今日は諦めて帰ろうとしました…。
あなたに呼び止められて、時間を食ってるところですけど」




「ははは」




「はははじゃありませんよ」





すると井上は、得意げな顔をして言った





「俺もAll Arounderだぞ」




「…何ですかそれは？」




「何でも屋だ。報酬によっちゃおチビの依頼、受けてやってもいい」




千花は目を真ん丸にさせた


しかし、首を横に振る





「いえ、結構です…あなたには今まで散々な目に遭わされてきたので…」




正直ショックだったが



まあそう言うのも無理はない




確かに散々な目に遭わせてきたし



けど…



「この仕事だけは…誇り持ってる」




井上は真面目な顔をした



その目は全然ぶれない






「…じゃあ…頼んでみましょうか…」





「♪」




客ゲット～





「はいはいあざーっす!!じゃ、早速内容…」


「でも今日は結構です。帰って夕飯を作らなければなりませんから」




そう言い、千花は立ち上がった




「んじゃー…○○町３丁目の酒場ってとこに、来いよ？
いつでもいいから」




「はい、ありがとうございます」



少し顔を傾げて微笑んだ様子は、とても女らしかった






井上もベンチから腰を上げ、酒場へ戻った