テキストサイズ

All Arounder

第45章 Apologize



―――――――――――




葵がだいぶ泣き止み、落ち着いてきたとわかると

姫は聞いた




『どうしたの…?』




葵は熱い息をハァと吐いて、話しはじめた




「退斗…何か、欲求不満やったみたいで…うちは退斗のこと好きやから、満足してほしさに、誘ってしもてん…」



『…』




「結局ヤっちゃってんけどさ…あかんょ…退斗はうちのこと、好きでも何でもないんよ…」




姫は葵の手をそっと握った





『何で…そんなことわかるの?』



葵は姫の手を握り返す





「退斗は一言も…好きって言うてくれへんかった…ってか…」



葵はもう片方の手で自分のお腹を押さえた





「うちが初めてやってわかったら…"ラッキー"やってさ…、何やのそれ…」



また溢れ出しそうになる涙をグッと堪え

変な顔になった




「愛されてなくても…それでもいいから"体使っていいよ"って言うたんはうちやのに…
やのにやっぱり…好きでいて欲しいんやぁ…」





『葵ちゃん…』




姫は葵の両手を取った





『退斗、少しでも我慢しようとしなかった?』




「え…?」




そういえば…最初に倒されたあと、一回どいてくれた





「あった…」





『何で退斗が我慢しようとしたかわかる?』





「…大志君とか姫ちゃんがいたから…」




姫は首を横に振った





『葵ちゃんのこと…大切にしたかったからだと思うよ?』















ストーリーメニュー

TOPTOPへ