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「痛いて…言うてるやんか…離してよ…も…やめてよ…」





「痛かったのか…？」





「…だから…さっきから言うてるやん…かぁ…」





「…」





井上はゆっくりと葵を離した






「…なぁ」




葵はその呼びかけに、目だけを向けた





「俺…葵に酷いことした…」





「…」






「苛立ってたのをお前に当たったり…
初めてだったのに…優しくしてやれなかったり…
今どうしてやることも…出来なかったり…」





「…」














「だからもう…俺のこと、嫌って…」













葵は目を真ん丸にさせた



すぐにその眉はハの字に下がる





「…え？」





「無理なんだよ…俺はお前を…傷つけちまうし…」





「ちが…」





「こんな遊びまくってる人間なんて…ひとりを愛する資格…ねーんだ…」





「ちがぅ…」






「だから…もう俺に構わねーで…」




「違うんやぁあ…!!!!」




葵は



井上の胸に飛び込んだ






「絶対無理や…うちがどんだけ傷ついても、苦しゅうなっても、退斗に嫌われても…
うちが…
うちが退斗を…好きなんやぁ…!!」





「…」






「昨日だって…痛かったけど…泣いたけど…
でも退斗を好きな気持ち…全然変わらんくって…
うちそんなん…どうしたらええんよぉ…」






「…」