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All Arounder

第46章 Examine For Examiner




「そんで、念のためもうひとつ」



大志はそう言い、台所へ向かった




「旦那さんのマグカップって、これっすか?」



大志は、食器棚に入った藍色のシンプルなマグカップを指差した




「あ、はい」



「んじゃこれにも…」




大志はマグカップの取っ手にも、例の液体をつけた




「これでよし」




大志はマグカップを棚に戻し、プラスチックの箱を懐に仕舞った




「あとは旦那さんが帰ってくるのを待つだけっす」




「さすが大志、やるじゃねーかよ」



井上は大志の背中を叩いた



千花は頭を下げてお礼を言う





「ありがとうございます、ほんとに、すいません」




「いえいえ、そんじゃあオレらは一旦帰るん…」



とその時


玄関の外で声がした





!!??




「シゲの声…!?」




「まずい、隠れろ!!」




千花は、大志と井上を物置の中に隠し、急いで扉を閉めた






ガチャ




「あ、千花、ただいま」




「お、お帰りなさい…まだお昼じゃないですか…仕事は?」




千花はゆっくり物置から離れ、シゲに近づいた





「あ、今日はいろいろあってさ」



そう言ったシゲの後ろから、ひとりの男が顔を出した





「よ、久しぶりだな、元気にしてたか?」




千花は自分の顔が引き攣るのがわかった





「ま…正貴さん…」















…親父ぃい!!!???




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