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「あ、退斗おった…って、何してんねーん!!!」



井上が小泉に抱き着いているのを見て

葵は猛ダッシュしてきた





「うちの退斗に触らんといて…!!」



と、葵が小泉を突き飛ばそうとした瞬間



先に、井上が突き飛ばされた





「いで!!」



尻餅をつき、驚いて顔を上げると

突き飛ばしたのは美空だった




「…あれ？」



美空はハッとして、慌てて井上を起こした




「ご、ごめんなさい!!なんか、つい…!!」




「いや別に…平気だけど…」




井上は複雑そうな顔をしながら、必死に謝る美空に返事をした







『あ、皆こんなとこにいたのかぁ』



最後に姫が、トコトコと歩いてきた




『小泉さん探したんですよー、どこ行ってたんですか？』




「ククッ、姫ちゃんまで来てくれたの？
ありがとね」




そして小泉は、ふと倉の方を振り返った





「ちょっと…用事があったからね」





もう一度皆の方を向くと、今度は本堂へ向かって歩き出した





どことなく、以前会ったときよりも
足元がおぼつかない



ゆっくりとした足取りで進む小泉のあとを、全員ついていった