テキストサイズ

All Arounder

第50章 Difference In Age







「…」




美空は手にしている燃え尽きた花火を
プラプラと振りながら


俺の顔を見据えた









「目を閉じると、まだ花火は咲いています」







ほほ笑みながら瞼を下げる美空





そんな彼女の顔に


俺の中の花火が重なる









「…」









ほんとだね





まだ




俺の中に残っているよ








「…」







優しい顔したその唇に




ふと


自分の唇を重ねてみたくなった





すべすべとした頬を撫でると


彼女は自然と顔をこちらに向けてくれる






「一瞬じゃ…ないんだね…」





「そうですよ」






もし




もし許してもらえるなら








「美空ちゃんに…もっと花火見せたい」






「あたしも、見たいです///」









俺はこの子を









愛してもいいかな





















ゆっくりと唇を離すと



暗がりでも

彼女の頬が赤く染まっているのがわかった





「じゃあさ、美空ちゃん…」





彼女は恥ずかしそうに下を向き、

それでも目だけはこっちにくれた






「ずっと…そばにいてくれる?」








その、向けていてくれた目すらも
下を見てしまい



一瞬襲ってきた期待と不安を掻き分けるように






愛しいこの子が



ギュッと抱きしめてくれた















ストーリーメニュー

TOPTOPへ