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「じゃー、にらめっこしよーか」



井上はポンと手を叩き、姫の前に座った



「にらめっこしましょ、笑うと負けよ、あっぷっぷー…」



井上には、恥じらいってものがないのかもしれない…

もうその顔は、原形を留めていなかった



オレはそんな井上に尊敬の念さえ感じるが…




『…』



姫の顔が無表情すぎて怖い…



憐れよ、井上…




「…ごめんなさい」



最終的に、井上は謝ってしまった


それが賢明だろうな…




「姫ちゃん笑ってくれよー…じゃあ、こちょこちょでもしてやる」



にらめっこは挫折し、井上は姫の近くへ寄った




「せぇのっ」


井上の右手は姫の脇腹を掴んだ


「こちょこちょこちょこちょ～…
姫ちゃん…効かないタイプ…？」



姫は無反応だった



井上は仕方なく手を離した




「大志ー、姫ちゃん笑わねー」


「だな」




ここまで笑わねぇとはなぁ…



大志は腕を組んだ




「よし、もっかいこちょこちょリベンジ!!」



井上は姫の脇腹へ手をやった



「って見せかけて胸揉んだりしてー…!!」

『しね』



バチーンッという音が酒場中に響いた