All Arounder
第10章 Parent And Child
すると、2階からバタバタと音が聞こえてきた
音は階段を駆け降り、あちこち回ってやっと洗面所まで来た
「姫!!」
『大志、おはよう』
「焦らすんじゃねぇ!!
起きたらいなかったから心配し…
何で親父がいんだよ…」
大志は斉藤を睨みつけた
「ここオレの家だもん」
「そうじゃねぇよ!!
何で姫と二人っきりでいるんだって聞いてんだ!!」
ぎゃーぎゃーと怒鳴り付ける大志を、斉藤はなだめるように言った
「顔洗ってただけじゃねぇかよ。
それにおめぇも、昨日は二人でイチャついてたんだろ?」
「いっ…イチャついてねぇよ!!///」
「はいはい」
大志の肩をポンポンと叩き、斉藤は出て行った
「あのジジイ…
姫、何もされなかったか?」
『…心配してくれるの?』
「へ?///」
みるみるうちに、大志の顔が赤くなっていった
目はキョロキョロとして、姫を見ようとしない
「心配なんて、して…ねぇよ…!!///」
『…。
…よしよし』
姫は大志の頭を撫でた
「なっ、何すんだコラ!!///」
『何となく』
つま先立ちで、左手は大志の腕を掴み
右手は頭を優しく撫でた
「…///」
しばらく、大志はそのままでいた