狼と白頭巾ちゃん
第17章 突然の雨で…
シンとライラは、木陰で暫らく雨宿りをしていた。
大きな木の下には雨粒が落ちてくる事は無かったが、全身濡れてしまったライラは身体がどんどん冷えていく。
シンも雨に濡れたのだが、四つん這いになってブルっと身体を揺らすともう殆んど濡れておらず、またライラを驚かせた。
「大丈夫かい?ライラ。とても寒そうだけど…」
「…うん。少し、寒い…かも」
ライラの身体は段々カタカタと震えてきて、暖めようと自分で腕を摩るのだが、濡れた服が冷たくて、彼女は余計に寒さを感じていた。
「多分、向こうの空は明るいから、雨はすぐ止むと思うけど…」
シンに言われ空を仰ぐと、確かにどんよりした雲の向こうは少し明るく、所々晴れ間も覗いている。
けれど雨が止んでも、濡れた服を着たままでは風邪を引いてしまいそうだと、ライラは思った。
「………脱ぐ…」
「ん?」
シンがライラの言葉で振り返ると、そこにはいそいそと服を脱ぎ出すライラの姿があった。