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お告げ~INシンガポール~

第21章 ふざけないで!

「…そうだ。」

梨絵は携帯を取りに一度水槽を出た。

携帯のライトで再び水槽を照らす。

しばらく、あるものを探していた。

給水管と排水管

「…あった!」

ここから一番遠い向こうの壁の、四隅にひとつ。
多分排水管。

そして一番手前のちょうど対角線にあたるところに給水管。

梨絵は携帯を置くと、再び水槽に飛び込んだ。
一番向こうにある排水管を目指して。

その時…
「あなたはゲームには負けました…」
たった一言だった。

「…違う」

あの声は、ゲームに負けた、と言った。
つまり、三人は助からない。

それなら、排水管を開けることなど出来ないのではないか…

梨絵は給水管のところまで戻った。

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