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Uターンズ

第1章 神輿

「かおる……君」

後ろで遠慮がちな声がしたと思ったらそこには、小学生の女の子がふたり、薫のほうへ手を伸ばして立っていた。


5年生か、6年生くらいだろうか。ひとりはスラッと背が高く、バレリーナのようにおでこを出し、長い髪を後ろでひとつの三つ編みにまとめていた。


もうひとりは小柄で、動物に例えたらウサギかハムスター… 色白で華奢な身体つきにレモン色のTシャツがよく似合う。


「やっぱり薫くんだ」

背の高いほうが、白い歯を見せて笑った。

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