刑事とJK~続編~
第24章 不思議の国
…ねえ
…ねえ聞いてる?
聞いてるよ
何?
…あのね
『どうしたの?』
ゆうひの声で、ハッとした
「え?」
斉藤とゆうひは、こっちを見ていた
「立ち止まってんじゃねぇよ、さっさと行くぞ」
「…ククッ、ごめんね」
しまったな
ついついボーッとしてしまった
今は、"不思議の国"に向かっているところだったか…
『…気分悪いの?』
ゆうひは下から覗き込むようにこっちを見てきた
「ゆうひちゃんのつわりが移ったのかもね」
『絶対ないし!!』
ゆうひは少し急ぎ足になって、斉藤の後ろを付いて行った
「…」
斉藤が…ほんとに羨ましいよ…
俺が欲しいもの、全部持ってる
…余計なことは
今は考えないでおこうか…
小泉も、二人の後ろを付いて歩いた