刑事とJK~続編~
第27章 この子に託してもいいかな
『いやああああ!!!
小泉ぃいいー!!!』
瓦礫の山によって…
流れ落ちる涙によって…
小泉の姿は見えなくなった
ゆうひは飛び出そうとしたが、斉藤はゆうひの腕を掴んだ
『やだよ…やだよ小泉ぃ死んじゃやだよぉおぉ!!!!』
「…ゆうひ」
『斉藤…早く行かなきゃ…!!
助けに行かなきゃあ!!!』
「ゆうひ!!!」
斉藤はゆうひの肩を掴み、自分に向けさせた
『っ…』
「あのイカレ野郎が…こんなもんで死ぬわけがねぇ!!
それに今は…あいつが渡してくれた鍵を…扉を開けんだよ!!!」
『…』
ゆうひは口を一文字に引っ張った
その口は、小刻みに震えている
小泉に対する嫉妬だとか…そんなもんはどうでもいい…
だから…
斉藤はゆうひを抱きしめた
「だから…泣くなよ…泣くんじゃねぇよ…」
『ぅう…ふっぅう…ぅえぇえん!!』
斉藤はゆうひの手を引いて走った
小泉に託されたものを
無駄にしないように
潰して
しまわないように…