刑事とJK~続編~
第29章 無の男
スッと後ろから手が伸びた
『…斉藤』
「んな馬鹿力でやったら、壊れちまうぞ?」
『…うっさい…』
斉藤はゆうひの頭をポンポンと叩き、スイッチに手を置いた
同じように力を入れるが
それでもまだ動かない
「…どうなってんだ…?」
『…斉藤…もし、このままスイッチが動かなかったら…』
「…」
最悪の事態…
起こっちまうってのか…?
その時、河瀬が立ち上がった
斉藤とゆうひを押しのけ、スイッチの前に立つ
「な…何するつもりだてめ…!!」
河瀬の手はスイッチの下へ伸びた
『…?』
パチッと音がし、河瀬はこっちを向いた
「ロックは、解除した。
もう押せる」
「おめぇ…」
「早く、押せばいい」
河瀬はドカッと壁にもたれ、ズルズルと座り込んだ
『…河瀬…』
「…信じてんぞ?」
「勝手に…しろ…」
斉藤はスイッチに触れた
カチャン