
刑事とJK‡番外編‡
第10章 近所のおじさん
「きっと由紀ちゃんのお父さんは、由紀ちゃんが心配なんだと思うよ」
「絶対ない…」
「僕が同じ立場なら、同じようなこと言っちゃうだろうね」
「絶対…ない…」
「由紀ちゃんは、ほんとに愛されて育ってきたから。
一度、お父さんとよく話し合ってみなよ」
「…
おじさん、ほんとにいい人。
自分のことを悪く言われても、正しいと思うことを通すんだね…」
「僕には…もう傷つけられたくないものは
何も残ってないからね…」
あたしは、ふいに笑みがこぼれた
「そんなことない。
おじさんには、娘さんがいるよ
娘さんは、絶対おじさんに会いたがってる」
おじさんは口をポカンと開けた
「…なんで、そう言いきれるの?」
「おじさんだから」
おじさんも、笑った
「言った通り、お父さんと喋ってくる
思ってること全部、吐き出してくる」
「そうしてあげて」
時刻は昼時だった
岩崎は由紀に手を振って、また畑仕事に取り掛かった
しかし、その後すぐ、由紀が走って戻ってきた
「おじさん、お父さんが…お父さんがぁ!!!」
「!!??」
岩崎は慌てて、由紀の後を付いて行った
