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君が欲しい

第9章 届かない想い

僕は音楽室に向かった。


今日も音楽室は誰もいない。


ピアノの椅子に座って外を見た。


空が憎たらしいほど青い。


僕は…体じゃなくて、君が欲しいよ。
君の心ごと欲しいよ。


僕は『マイ・フーリッシュ・ハート』弾き始めた。


届かない思いをピアノの鍵盤に思い切りぶつけた。


もう誰に気がつかれても構わなかった。


どうしても弾かずにはいられなかったからだ。


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