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はやく木村と合流したかった竜崎だが小澤と一緒のためにとりあえず崖までやって来る。


持ち場を離れれば小澤がウルフに伝えに行くことは火を見るより明らかだ。

ここは混乱に紛れて抜け出すしかない。

まさか木村と合流するためだけに小澤を殺すわけにもいかない。


崖に到着し、竜崎は目を凝らして崖の上に敵がいないか確認をする。

夜の闇で視界が効かない上、敵も隠れて監視しているであろうから姿は見えない。

草むらに隠れて崖の上を見つめる竜崎に小澤が話しかけてくる。

「もう少し近くに行って姿をアピールしないと囮にはならない……」

「ならお前が行け、小澤」

「いや、その……二人いっぺんに別々に走った方が相手を撹乱出来るから……」

竜崎の鋭い声に怯えた小澤は、竜崎を怒らせないように恐る恐る説明する。