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竜崎がその隙を狙い、酒守の背中にナイフを刺そうと突撃体勢に入る。

その背後の動作が見えていたかのように酒守は振り上げた刀を旋回させ、竜崎のいる背後への攻撃に変更した。

途中からの急な切り替えだったため完全な攻撃にはならなかったが刀は一司の胸元を斬りつける。


斬りつけられた胸元から鮮血が飛び散る。

「背後からナイフで刺す以外の攻撃を知らないのかしら、坊や」

竜崎の鮮血を浴びながら酒守はニヤリと笑う。

攻撃が変化した隙に佐橋は素早く立ち上がり、刀を突き刺すようなかたちに持ち直す。

「酒守っっ！！覚悟しろ！！」

命を捨てるような突撃、まさに捨て身の攻撃を佐橋が見せる。

怒声と血走った目と勢い。

普通の人間なら恐怖で固まる。


しかし酒守はまったく恐れる様子もなく、ひらりと身をかわす。