Eternal Love…
第31章 12月24日
そして今日の夜─────
お兄ちゃんが部活終わって
帰ってきた頃。
「ららー零!」
ママに呼ばれてリビングに行くと、
机に伊豆温泉のパンフが置いてあった。
「ママ、何これ?」
「実はね、パパの会社の人が伊豆温泉旅行のチケット譲ってくれたのよ~」
「へぇ~伊豆か。いいじゃん」
「それでいついくの?」
パンフを眺めながら聞く。
「ん?12月24日よ♪」
「へぇ~24日かぁ………ってえ!?」
24日…クリスマスイブ。
24日…お兄ちゃんの誕生日!
「たまには家じゃなくて外でクリスマスイブ、そして零の誕生日を過ごすのもいいんじゃないかなって思って」
伊豆温泉…
行きたいけど…
2人で過ごしたい気持ちもある。
「母さん」
そんなとき口を開いたのは
お兄ちゃんだった。
「どうかしたの零?」
「俺伊豆には行かないよ。自分の誕生日くらい家でのんびりしたいし」
「あっ!あたしも!お兄ちゃん行かないなら残る!」
「けど2人ともせっかくの伊豆よ?いいの?」
「大丈夫。たまには2人でのんびりしてきなよ。俺ら2人でいいし。若い頃に戻ったつもりでクリスマスデートしてきたら?」
「でも…」
ママはなかなか了承しない。
「いいんじゃないか?ママ。せっかくららと零が気をつかってくれてるんだ。2人で伊豆行こう?」
「パパがそこまで言うなら…。じゃあ零にららクリスマスイブ家を開けるけどよろしくね?」
「任せて!」
クリスマスイブ兼お兄ちゃんの誕生日は2人で過ごすことになった。