Eternal Love…
第40章 支えと強さ
「零くん…キザだな~。でもっ…何かすげーかっこいい」
「お兄ちゃんのばかっ……」
本当にもう…っ。
嬉しくて涙を流したのは
本当に久しぶりのことだった。
「ほら、落とさねぇようにちゃんとつけとけよ」
「わかってるっ…!」
この指輪の指定席の…左手の薬指に。
指輪をはめるとだいぶぶかぶかになってしまっていた。
「ったく…何も食ってねぇからこんなんになるんだぞ!もう落とさねぇように…ちゃんと食えよ」
「これから食べるっっ!もう落ちないように…。そして、ちゃんと前を向いて歩くの!」
もう泣かない。
自分だけが辛いんじゃない。
前を向いて胸はって背筋伸ばして。
前に進む。
お兄ちゃんがあたしに与えてくれた幸せを無駄にしないように。
だから……どこかで見守っててくれるよね?
お兄ちゃん。
「ママー!お腹空いたっっ!何かある?」
お兄ちゃんに心配かけないように。
あたしは大丈夫だよって。
「…それでこそ俺が好きになったららだよ」
あたしの背中を見つめながらぼそっと呟いた司の言葉。
あたしの耳には届いていなかったけど
司の目には柔らかい笑みがこぼれていた。