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第10章 裏と表(律視点)

見下す視線を俺に送りつつ、金剛は口角を上げ言った。

「再教育には丁度いいですからね、立場をわきまえたうえで我々とゲームをして頂きたい」

「くッ、そっ……」

何とか口を開く俺の髪を、荒々しく掴み。

―――見せられた

窓から睦月と名取が抱き合う様子を
沸々と沸き上がる怒りに
身体が震えた。

強く握り締めた拳、嫉妬心が黒く俺を支配する。腹が立ち、怒りしか頭にない。自分のモノに勝手に触られた事が、一番気に食わなかった。

金剛の髪を掴む手を強く払い

「――ふざけんなッ!! 彼奴に手出してんじゃね―!!」

怒鳴りつつ、殺気立つ俺を金剛はニヤニヤと笑い言った。

「貴方が大切にしているモノが、御自分のモノだという証しさえ持ち合わせてはいませんよね? 」

「だったら何だ!」

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