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第11章 悪意の塊

でも、自分の事は自分で何とかしたいと思う反面、不安は大きい。だからといって、このままにしておくのもダメな気がする。

「大丈夫ですよ、体調は良い方ですので」

「ん……
なら、いいけどよ……」

と中垣が返し私は笑顔を向けた

「ルートも短いものですし、20分もあれば戻って来れます。だから、大丈夫です」

「ん、分かった……
あとなぁ、コレやるよ」

そう言われ、何かを握る手に私は手を出す。 コロンっと、手に乗せられた物に私は首を傾げつつ中垣をみた。

「コレは……」

「一応な、森の中に行くから携帯は無理だろ」

「え、でも、コレは」

そう言い、私は手のひらにある小さな防犯ブザーを眺める。というか、何故こんな物を持っているのか、不思議なところである。

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